Gartner Symposium/ITxpo 2018
Gartner Symposium/ITxpo 2018

「ContinuousNext」戦略で、常に変化する時代を駆け上がれ

Gartner Symposium/ITxpo 2018



2018年11月12日(月)‐14日(水)の3日間、グランドプリンスホテル新高輪 国際館パミールにて『Gartner Symposium/ITxpo 2018』が開催された。

今、すべての経営者の関心が「デジタル・ビジネス・トランスフォーメーション」へと向かっている。CIOの役割は、この変革を、一過性のものに終わらせるのではなく、継続的に新たな文化や仕組みを確立することにある。その挑戦は、IT部門を絶え間ない環境変化に順応させ続けることでもある。デジタル・ビジネス・トランスフォーメーションを成功に導き、さらに進化させるには何が必要なのか。ここでは、その問いに深い示唆を与えた、1日目のオープニング基調講演を紹介する。

「ContinuousNext」戦略は絶え間なく変化する世界で成功するためのアプローチ

Gartner Symposium/ITxpo 2018

バル・スライバー
シニア バイス プレジデント

「デジタルの変化は常に起こっている。そのなかで成功するには新たなマインドセット (考え方) とプラクティス(振る舞いや行動)が必要だ」
1日目のオープニング基調講演のテーマは「デジタル・ビジネス・トランスフォーメーションのさらなる加速から飛躍へ」。4名のアナリストが交代で登壇していった。

まず登場したのは、シニア バイス プレジデントのバル・スライバーだ。スライバーは、デジタル破壊が業界を問わず起こり得る環境において、企業は柔軟に変化に対応しなければいけないと指摘。そのために欠かせないものとして「ContinuousNext」という新しい概念を提唱し、これこそ絶え間ない変化が求められる世界で成功するためのアプローチだと述べた。
現在、世界では、CEOとCFOの3分の2が、デジタル・トランスフォーメーションの実現に向けてビジネスモデルの変革が必要になると想定している。スライバーは、その際、CIOが、創意工夫に富んだ独自の方法で変革を主導すべきだとし、そのために有効となるのがContinuousNext戦略だと語った。

また、スライバーは、ContinuousNext戦略でCIOが取り組むべき5つの重大事項として、「プライバシーの保護」「拡張知能」「組織文化の変革」「デジタル・プロダクト管理」「組織のデジタル・ツイン」を挙げた。この中でも、CIOにとって、デジタル・ビジネス・トランスフォーメーションの最大の障壁となるのが組織文化に関わる「変化への抵抗」であり、その一例として、変化に伴うストレスで従業員の生産性が9.1%下がる場合、それは売り上げが5.7%減るのと同じインパクトがあると指摘。そのうえで、テクノロジの採用姿勢に基づいて先進企業の傾向を分類した結果、デジタル化への取り組みに成功するカギは大胆で俊敏なテクノロジ採用にあると述べた。

続いてプライバシーに言及し、現在、多くの消費者にとってプライバシーは利便性より重要になっているという分析を示し、プライバシー保護への信頼が競争力につながるため、セキュリティは取締役会レベルの経営課題として取り扱うべきだと語った。
スライバーは、最後にAIによって人の能力を強化する拡張知能について解説した。現在、AIを使用している企業の大半が、雇用にはほぼ影響がないと報告しており、雇用が減っている企業より、雇用が増えていると考えている企業が多いことに加え、今後は、人と高度なAIとの協働によって企業を成長させることができると力説した。

「カルチャー・ハッキング」で組織文化を変革せよ

Gartner Symposium/ITxpo 2018

長嶋 裕里香
マネージング バイス プレジデント

次に登壇したのは、マネージング バイス プレジデントの長嶋 裕里香だ。
長嶋は、CIOの46%は組織文化が最大の障壁である、と報告している事実を示し、2021年までに、組織文化の変革に当たって、CIOは最高人事責任者と同等の責任をもつようになると語った。

組織文化の変革は決して難しいものではなく、十分に変革可能だとし、そのために欠かせないものとして「良い意味でのハッキング」を推奨した。これは、自社の組織文化のなかで影響が出やすい部分から少しずつ変革を起こすことを指し、その変革を継続することによって影響力を高め、やがて大きな変革へとつなげるアプローチである。ハッキングのポイントとして、「簡単に」「感情に」「すぐに」「わかりやすく」の4つがあると語った。

そして、組織文化の変革のためにCIOが実践すべきものとして10の項目を紹介。1つ目は「失敗の推奨」。失敗というネガティブな環境をなくすことが変革の一歩だとした。2つ目は「ない・ない・ない、から始めない」。時間がない、お金がない、人がいないでははく、どうしたらできるかというマインドセットの必要性を説いた。

3つ目は「本当に必要な会議に参加すること」、4つ目は「48時間以内に意思決定すること」、5つ目は「意思決定をたたえること」、6つ目は「完璧主義から改善へ」、7つ目は「まずはやってみる」こと。見る聞くだけではなく、自らプログラムを書くなど実践が大事だとした。さらに、残り3つの項目を示し、これらを実行すれば変革の瞬間に立ち会える可能性が高くなり、組織文化の変革こそContinuousNextの旅だ、と締めくくった。

目ざせ、デジタル・テクノロジとプロダクトの融合

Gartner Symposium/ITxpo 2018

一志 達也
シニア プリンシパル, アナリスト

続いて「デジタル・プロダクト管理」について語ったのが、シニア プリンシパル, アナリストの一志 達也だ。デジタル・プロダクト管理は、デザイン・シンキングを中心に据えたデジタル・ビジネスのデリバリへと、IT部門のアプローチを転換させる。
一志は、ガートナーのCIOアジェンダ・サーベイを示し、プロダクト中心のデリバリを実践している企業は、遅れた企業では35%のみだが、先進企業では78%と2倍以上にもなる現実を紹介。デジタル・プロダクト管理を実践していない企業は即座に開始すべきであり、そうでなければ追いつけなくなると指摘した。そして、2020年までに、デジタル・ビジネスのリーダーの4分の3は、プロジェクト管理からプロダクト・ポートフォリオ管理へと転換すると語った。

世界で強い影響力のある企業は、デジタル・テクノロジをプロダクトに融合させ、新たなマネジメント・プラクティスを生み出している。その代表例としてAmazonを紹介し、もはやAmazonが小売企業かテクノロジ企業かと問われないのは、小売りとテクノロジと見事に融合させて成功しているからだと指摘。Teslaは自動車とテクノロジを、Appleはテクノロジとヘルスケアを結び付けていると続けた。

もしも自社の業界へテクノロジに強い企業が進出してきたら、何らかのマイナス影響を受けると答えた日本企業の割合が7割にも達することを示し、企業が生き残るためには、デジタル・プロダクト管理の推進が欠かせず、そのためにはデジタル・プロダクト・マネージャーが必要であり、すでに先進企業では導入されていると述べた。また、「顧客中心のデジタル・プロダクトとサービスの設計」「プロダクト管理の専門家を採用」「内部の人材に相互トレーニングの実施」も重要だと語った。

組織のデジタル・ツインで究極のビジネス・オペレーションを

Gartner Symposium/ITxpo 2018

鈴木 雅喜
バイス プレジデント, アナリスト

「渋滞情報はすでに可視化されている。組織全体の業務の進行状況も、渋滞情報のように可視化できてもなんら不思議ではない」
「デジタル・ツイン」について語ったのが、バイス プレジデント, アナリストの鈴木 雅喜だ。

デジタル・ツインとは、例えば航空機のジェットエンジンや風力タービンにセンサを取り付け、モノをデータ化して管理するものだが、鈴木はIoTの文脈だけでなく、人の行動や業務をデータ化し、さらにAIを取り入れることで、組織のデジタル・ツイン(DTO:デジタル・ツイン・オーガナイゼーション)が実現できると語った。組織や企業全体を、あたかもモニタで見るように可視化し、オペレーション全体がリアルタイムで見えるようになれば、高度な予測が可能になるだけでなく、変化にも備えることができ、新しいオペレーションが生まれるはずだと力説した。

DTOの実現にはいかにデータを集められるかがカギになるが、組織内のプロセスやオペレーションだけでなく、社外のエコシステムにも適用すべきだとし、それによって究極のビジネス・オペレーションが実現できると説いた。DTOの導入によって、手術室追加の正当性の確認、手術スペースの使い方の無駄の発見、どの専門医療がボトルネックか、何曜日に厳しくなるかなど、患者のために最適化された対応ができたアメリカの病院など、複数の事例を次々と紹介した。

日本企業はまだ時間がかかる可能性はあるが、準備として、「経営陣の課題を特定する」「まず1つのプロセスまたは場所にDTOを適用する」「継続的インテリジェンスを組織全体で共有する」の3つを挙げ、これにより、DTOの取り組みは現実のもになっていくとし、市場が目まぐるしく変わるなか、DTOの活用はもはや避けられないと語った。

Gartner Symposium/ITxpo
2018年11月12日(月)~11月14日(水)  グランドプリンスホテル新高輪 国際館パミール

協賛企業   [PDFアイコンをクリックするとプレゼンテーション資料をダウンロードいただけます。]

Sansan株式会社
レッドハット株式会社
リックソフト株式会社
株式会社ラック
OutSystemsジャパン株式会社 OutSystemsジャパン株式会社
アカマイ・テクノロジーズ合同会社 アカマイ・テクノロジーズ合同会社
Yellowfin Japan株式会社 Yellowfin Japan株式会社
Ivanti Software株式会社 Ivanti Software株式会社
SCSK株式会社 SCSK株式会社
STSD株式会社 STSD株式会社
NCデザイン&コンサルティング株式会社 NCデザイン&コンサルティング株式会社
株式会社協和エクシオ 株式会社協和エクシオ
株式会社グリッド 株式会社グリッド
Coltテクノロジーサービス株式会社 Coltテクノロジーサービス株式会社
サウザンドアイズ・ジャパン株式会社 サウザンドアイズ・ジャパン株式会社
株式会社ジェイ・クリエイション 株式会社ジェイ・クリエイション
株式会社Synamon 株式会社Synamon
シンガポールテレコム・ジャパン株式会社 シンガポールテレコム・ジャパン株式会社
Sumo Logic ジャパン株式会社 Sumo Logic ジャパン株式会社
ThoughtSpot Inc. ThoughtSpot Inc.
Talend株式会社 Talend株式会社
日本システムウエア株式会社 日本システムウエア株式会社
日本オラクル株式会社 日本オラクル株式会社
Netskope Japan株式会社 Netskope Japan株式会社
Panaya Japan株式会社 Panaya Japan株式会社
Puppet Inc. Puppet Japan株式会社
株式会社BeeX 株式会社BeeX
弁護士ドットコム株式会社 弁護士ドットコム株式会社
株式会社マルチブック 株式会社マルチブック
株式会社モンスター・ラボ 株式会社モンスター・ラボ
横河レンタ・リース株式会社 横河レンタ・リース株式会社
株式会社ランドスケイプ 株式会社ランドスケイプ